今までの味噌づくりキットは『プラモデル』のように確実に目的のお味噌をつくることができましたが、発酵クラフトキットは、『ブロック』遊びのように、自分で好きなようにパーツを組み合わせてオリジナルの味噌を作ることができる仕組みを提供していきます。
発酵クラフトキットがなぜブロックのように組み合わせることができるのか、従来の一般的な味噌づくりキットと比較して簡単に説明します。
味噌を正しく発酵させるには、麹と塩のバランスが重要(※1)です。
一般に、麹の割合が多いほど塩分は低く、麹が少ないほど塩分を高くする必要があります。
味噌の原料は、「大豆」と「麹(こうじ)」と「塩」であり、それらの原料にはそれぞれ役割があります。
簡単にいうと、「適切な塩分と水分により環境が整えられた場所で、大豆のタンパク質を麹の酵素が分解して旨味に変えていく。」のが味噌づくりであり、そのバランスを整えてあげるのが「仕込み」です。
あとは微生物や酵素が勝手に美味しくしてくれるのです。
そしてそのバランスを取るには、以下のようなルールがあります。
他にも水分なども、麹の比率によって調整が必要になります。
一般的な味噌づくりキットは、配合が計算された「大豆」「麹」「塩」がセットになっているベーシックなキットと、あらかじめ大豆が茹でてある「蒸煮大豆」と、あらかじめ麹と塩を混ぜた「塩切り麹」がセットになった簡易的なキットの2種類が販売されています。
スタンダードなタイプは大豆の処理から考えると約半日はかかりますが、工程が多く、つくる楽しさが味わえるキットです。
一方で簡易的なキットは、ペースト状のものでは10分程度、大豆を潰す工程からでも30分もあれば完成します。
上記のように、従来の味噌づくりキットは目的の味噌はしっかり仕込めますが、パーツを自由に組み替えると塩分と麹のバランスが崩れてしまうため、白みそを作りたいなら「白みそのキット」を、赤みそを作りたいなら「赤みそのキット」が必要になります。
「発酵クラフトキット」は、大豆に塩が入っている「塩切り大豆ペースト」と「米麹」の組み合わせによるキットです。
発酵クラフトキットでは、自由な組み合わせを可能になるように設計した塩分と水分をペースト側に含ませているため、範囲内であれば、どの組み合わせでも味噌として適正な塩分バランスを保つことができます。
つまり、白みそ、赤みそ、スタンダードな味噌など、さまざまな味わいを自分で選びながら仕込むことができるのです。
日本各地の気候や家庭環境によって、味噌の熟成状態は大きく異なります。そこで今回、発酵クラフトの研究の一環として、地域ごとの熟成データを収集したいと考えています。
モニターの方には、Hackoh Basic Kit(基本の発酵クラフトキット)とは別に、全員同じ内容のHackoh Test Kit(テストキット)を仕込んでいただき、3ヶ月後に弊社へご返送いただきます。返送された味噌の状態を観察・記録し、今後の参考にさせていただきます。