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天地返し


1年間熟成させる長期熟成の味噌は梅雨が明けた頃、桶に入っている味噌の上下をひっくり返す「天地返し」という作業を行います。
大きな桶で仕込むので、真ん中あたりと外側、上の部分と下の部分とではどうしても熟成環境が異なってくるので、途中混ぜることにより熟成中の味噌の塩分・水分などを均一化させ、熟成ムラをなくす必要があります。また、少し酸素に触れさすことにより酵母を活性化させるといった目的もあります。
ただ、あまり何度も空気に触れさせるとカビや雑菌が繁殖してしまうので、年に1回~2回くらいが良いとされています。
現在熟成中のこの味噌の場合は、塩分や麹の割合から考えて梅雨明けの湿気が少なくなった今の時期に一回、この「天地返し」を行うようにしています。

つまり、若者(熟成中の味噌)には悪い友達(カビ・雑菌)がつかないよう箱入り(桶入り)にしておいた方がいいけど、たまには外の空気(酸素)を吸わせてあげた方が気分転換になって(酵母が活性化されて)将来良い大人(美味しい味噌)になるよということだと私は捉えています。
是非良い大人になってください。

ちなみにこのお味噌は、冬に発売予定の長期熟成の米みそ(新商品)です。
どうぞお楽しみに。