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イレギュラーなフロートレモン

規格外フロートレモン

フロートレモンティーは、乾燥輪切りレモン「フロートレモン」と紅茶のティーバッグをセットにした商品です。
レモンは減農薬で作られた広島県瀬戸田産のエコレモンを使用しています。自然のものなので種が多すぎたり、果肉部分が潰れていたり、皮が黒くなっていたりと、残念ながら全てのレモンが最終的に商品として使えるものにはなりません。
フロートレモンティーは「あげて嬉しい、もらって嬉しい」商品であることを目指しているため、割れていたり、形が悪かったり、種が多すぎたりといった、いわゆる「浮かべて嬉しくないレモン」は、規格外として商品には使用しないようにしています。

スライスして乾燥させる前に選別した形の悪いレモンは、そのままフランス産岩塩に漬け込み熟成させ、「熟成塩レモン」となりますが、乾燥させた後で選別にもれ規格外となったフロートレモンは、残念ながら廃棄しているのが現状です。

食品ロスの観点からも、経営面からも廃棄はもったいないなと以前から考えていましたが、設備面や安定確保などの面からなかなか行動に移せない状況が続いています。
「割れせんべい」のように「割れレモン」として販売するとか、他の加工品の材料とするとか、いろいろな案は出てくるのですが、正直まだ方針は決まっておりません。

一方で、その「規格外フロートレモン」は商品としては失格なのですが、人為的なものではないため、同じものは二度とない偶然性や不確実性があります。見方によっては顔に見えたり、何かのキャラクターに見えたりと、商品価値とは異なる愛着の湧くレモンだったりするのです。

今年、「味を、人を、あわせる、」という光浦醸造の新しいフィロソフィーをつくりました。
最後の「、」は偶然性や不確実性であったり、”何かに委ねる”部分を表しています。
どれだけ人為的に合わせようとしても、味噌とか乾燥レモンは結局自然のものなのでピッタリとは合いません。だけど、その余分や余白にこそ魅力があり、私たちはそこを大切にしていきたいなと考えるのです。
その理念を言葉にした後で考えると、今廃棄しているこの規格外のフロートレモンこそ、その偶然性そのものなのだということに気が付きました。

これは何とかしなくては。

新しいインスタアカウントを立ち上げました。

商品としてこの「規格外フロートレモン」をどうしていくかはまだ決まっていませんが、とりあえずそんなイレギュラーなフロートレモンを写真に撮って記録していくことにしました。
https://www.instagram.com/float_lemon/

テストも兼ねて最初だけ10枚程度まとめてアップしますが、基本的には1日1枚、無作為に投稿します。
オフィシャルのインスタ同様こちらもよろしくお願いいたします。

これで何かが変わるわけではありませんが、ただ廃棄されるレモンに、少しだけ日の目を見せてあげたい。
フードロスを考えるひとつのきっかけになればと思います。