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底力


先日、ある製茶工場を見学させてもらいました。
第一印象はまるで「ハウルの動く城」。そこの会社の繊細で華やかな商品からは想像がつかない設備の大きさに正直驚きました。決して最新の設備ではなく同じ食品工場を経営している者としてこの子たちのメンテナンスの大変さは想像に難くないのですが、丁寧に扱われているなぁと感心します。

情報やサービスが簡単につくって売れる今の時代、なかなかこういう設備投資をしてまでメーカーになろうという人(起業者)は少ないですよね。ここの会社を見学させてもらってみて、親の代から受け継いだ工場や設備というのは古くて非効率なものであってもやはり財産なんだと感じたし、そしてそういう先代の思いの詰まったものを非効率ではあっても大切に扱ってこなしていくエネルギーは無駄ではなく、何か見えない力に変わっていて、それが「底力」なんじゃないのかなと感じました。

それはきっとぼくたちも持っているはずだし、疲弊しているといわれている地方のメーカーもみんな「底力」という見えない力を持っているんだろうなと思ったのです。
1円にもならないエネルギーなんだけど、多分商品に滲み出てるんだろうし、いつかピンチを支えてくれるはず。
珍しくそんなちょっとスピリチュアルなことを考えさせられた工場見学でした。