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フードマイレージとフェアトレード


会社の近くの麦畑です。(去年の春に撮影したものです。)

目の前にあるこの麦が手元に届くまでには、かなりの長い移動を要します。
収穫→移動→製麦会社→移動→麦取り扱い業者→移動→ユーザー(味噌屋など)
一番シンプルなルートでも結構な移動距離です。
散歩の途中で麦畑を見るたびに、「すぐそこにあるのになぁ。」と思ってしまいます。

以前、何かの本に「フードマイレージとフェアトレードはどちらが大事か?」という記事がありました。

「フードマイレージ」は、食べものが運ばれてきた距離のこと。その食品が口に入るまでに旅した距離などをもとにどれだけCO2を発生させたかを考えるものです。海外から輸入すると移動距離が長いので、自分の庭の畑で採れたものと比べると遥かにCO2を発生させています。つまり、近場のものを食べた方が環境に良いということ。

一方、「フェアトレード」とは途上国の人が作る農産物を適正な価格で買い、経済的な自立を応援する運動のこと。アジアやアフリカ・中南米で作られている小規模・伝統的製法の農作物は、アメリカなどの画一化された農業方法で作られたものと比べると、流通面・価格面・品質の均一性からみてどうしても選択肢から外れがちですが、そのような商品を購入することにより、途上国の自立を促し、伝統的製法の持続可能な社会にしようという運動です。

どちらも環境や文化に配慮した考えであり、共感できますが、実は相反することでもあります。

フェアトレードをしようとすると食品の移動距離が長くなり、フードマイレージが高くなるし、
フードマイレージを先進国が意識すると、フェアトレードの機会は少なくなります。

・・・まぁ、確かに矛盾してるけど、どちらが大事ということはありません。

そのようなことを “考えて” 商品を購入することによって、日頃から環境や途上国の現実を意識する癖をつけることが大切なのだと思います。

できることから。

私たちが出来るフードマイレージは、「地産・地消」。

できるだけ近場の原料を使い、作ることがCO2を削減することに少しは繋がります。

現在、「光うらの麦みそ」の原料は、大豆は山口県産ですが、麦は愛媛県産です。
ここで麦を愛媛県産から山口県産に変えたからといって、フードマイレージの効果、つまりCO2を減らすといった効果はほぼ皆無です。
逆に、現在大規模に作付けされている愛媛県産の麦を使用することの方が、CO2削減の面でいえば効果的かもしれません。

しかし、フェアトレードの観点(愛媛県が麦の先進国、山口県が途上国という考え)からいえば、規模は小さいながらも作付けを伸ばそうとしている地元・山口県の麦を使うことに意義があります。

そんな些細なフェアトレード&フードマイレージを意識して・・・というわけでは全くありませんが、
3月出荷分より、「光うらの麦みそ」の麦は愛媛県産から山口県産へ変わります。

もちろん、一番大事なのは味なんですけどね。

もうひとつ矛盾をいうならば、

ネット販売は、全て発送となりますので、フードマイレージはどうしても高くなります。
しかし、山口県の農業発展、そして途上会社(?)のため、フェアトレードの精神でよろしくお願いいたします(笑)。


[ 光浦醸造 web http://www.asahimiso.com/